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1/29/2010

+ ことばのしゅうとくとは?

1994年アメリカ制作のおもしろい番組をNHK教育で放映されたことがあった。
“ことばの不思議”という番組で、いろいろな言語学者が“こどもはどうやって言語を習得するのか?”という疑問の元に調査研究した見解を示している。もうかれこれ16年前の番組なので、今ではもっといろんなことがわかっているとは思うけど、それでも子どもの言語習得に関してとても興味深いことを言ってるのと、日本の児童英語教育者、児童教育者の中で誰もこんなこと言ってるのを聴いたこともないので、今でもビデオを大切に取ってある。(3回シリーズの第2回目しか手元に残ってないのがとても残念なんだけど。。)

その1: 言語は、DNAにその種となるようなものが生まれる前から誰にも備えられており、誰も教えなくても自然と歩けるようになるのと似て、誰もそれに従って言葉を習得するようになっている。その証拠として、どんな重い知的障害を持つ子どもでも言葉を理解できるし、自分から言葉を話している。知的障害の子どもに言葉を教えたことはないだろう。このことは、人間のDNAに備わっている足や手が自然に出てくるのと同じような次元のもので、誰も言葉を教えなくても、人間の子どもは驚くべき速さで言語を習得している。

その2: 子どもは言葉を覚える前から言葉の基本的構造を知っている。
番組では、まだほとんど言葉をしゃべっていない1歳半の赤ちゃんを2つの画面の前に座らせて調査していた。
一つはBig Bird、もう一つの画面にはCookie Monsterが映ってる。
2つの画面に何が映っているのか子どもに質問して(Bigbirdはどこ?Cookie Monsterはどこ?)と2つの対象を認識していることを確認。
Big Bird がCookie Monsterに何か食べさせている場面が一つの画面に出た時、1歳半の子どもに、"Big BirdがCookie Monsterに何か食べさせてる。Cookie Monsterに食べさせてるBig Birdはどこ?”と質問してみる。
この調査で、子どもは主語と述語の関係が既にわかっていることがわかる。 


その3: 3歳半の子どもにどの程度の文法を操ることができるのか調査していた。
Sammy: What do you think Cookie Monster eats?
これは、Sammy3歳半 の口から自然に“クッキーモンスターは何を食べると思う?”と出たもの。
この文は複雑で、 文の構造を見ると、まず"Cookie Monster eats something."(クッキーモンスターは何かを食べる)に"you think"(あなたは思う)を取り付け、疑問文なので最初の文の "something"を"What"に変化させて文頭に持ってくる。そして英語の習慣から疑問文に仕立てるために"you think"の前に"do"を付けて完成。こんな複雑なことを3歳半は大人がやるのと同じように直感的にやってのけてる。でも、この子はまだ靴紐も結べない。

その4: 人間の言語は1つの言語が元になっている。“人間言語”と呼ぶ。(言語学者:N. チョムスキー教授より)
世界中の言語を調べると、どれも似ている。
世界中どんな言語にも名詞、動詞、否定形、疑問形、1つと1つ以上を表す表現がある。
全ての言語には、動詞の次に目的語がくるものと、目的語の次に動詞がくる2つのパターンしかない。言葉を覚えようとする子どもは、その言語がどちらの規則になっているのか本能的に当てはめるだけでいい。

言語には本質的で基本的な核がある。
“普遍文法”と呼ばれる。

子どもは生まれつき人間言語の基本的な構造がわかっている。
そして、どこのどの言語も必ず規則性がある。規則性のない原始言語というものはない。チョムスキーは人間の言語はどの言語も“人間言語”の方言だ、という。(だから、他の言語を学べば他の言語が理解できるのか。。)

言語とは、教えられもせず、直されもせず、自分でそれについて考えることもせずに、いつの間にか習得してしまうもの。究極的には、言語は人間の生物学資質に根ざしたもの。 
 
番外編: 言葉の習得は社会的要素を持つ。ある社会的環境の中にあって子どもは言葉を習得することができる。子ども一人では習得できない。また、子ども一人で学ぶものでもない。

最後の番外編は、他の回にあったものを私が覚えていたので、書き足しています。このことが強烈に頭に残っていたので。

上の見解だけだと、子どもに英語を教える際、『じゃあ、具体的にどうすりゃいいのよ?』と思われるかもしれませんが。。でも、上の見解を知っているのと知らないのでは、アプローチの仕方が変わってくると思います。

それにしても、言語はどの言語も似ている、というのを知ったら、なんかほっとしてしまった。英語だけじゃなくて他の言葉なんかも、勉強すれば理解できるのか、と。(笑) それから、下で書いたNOKKOのサイトに、娘さんの夏乃ちゃんの日本語習得に関しておもしろい記事がありました。夏乃ちゃんは、新しい掃除機をNOKKOがついつい言った“カタチ”だと思い込み、それを正すのに大変だった、というエピソード。でも、かわいいんだな。。(笑) よかったら、それも覗いてみてあげてください。Sweet Thingsの2番目の記事 <こわ可愛いもの> です。