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4/15/2012

ボランティアとお金について

一昨年、去年とちょっとずつ書いていた私のボランティアに関する記事 “ + ちょっとずれてる日本人の"ボランティア"という考え方 ” に関して、またそれからちょっと思ったことを追記します。実際に追記しちゃうと長くなっちゃうんで、ここに追記だけを。

<2012. 4. 14 追記>
この前NHKで、人がどうやって人となってきたか、という命題の番組があった。その最後の回が NHKスペシャル ヒューマン なぜ人間になれたのか 第4集 そしてお金が生まれた。その回でやっていたのが、人が文明や都市を発達させてきたものは、つまり、人が人となり得たのは、お金のおかげだった、と。人は何十万年もHunting & Gathering(狩猟採集)の分かち合いの集団の中で生きてきた。そこでは、冨を蓄積したりすることができない。みんな分かち合って生きるのが当たり前の中で、一人だけ突出してそんなことをしたら村八分になって生きていけないから。それから随分経って農耕が行われるようになり、小麦や羊での給料をもらって生計を立てる分業が発達してきた。そのことで技術革新が起こり、生産が増え、ますます都市が繁栄してきた、と。そこに時の為政者が発行する貨幣が登場。物々交換と違って軽いし、信用もある。欲しいものが誰とでも交換することができた。お金の登場でありとあらゆる場所で様々な取引ができるようになった。そこでまた都市がますます繁栄する。人間が繁栄してきたのは、お金のおかげだったそうだ。

もう一つ、お金と人にまつわるおもしろい番組があった。ドイツの番組だったんだけど、とあるドイツの教師がある時ふと、「この金まみれの社会では人間らしい生活はできない。人はお金がなくても生きて行けるはず。」と思った。それ以来、何か人にしてあげてその報酬をお金という形でもらうのではなく、糧や物を得て生きて行く、という生活を始めた。10年くらいそういう生活をしていると。でもやっぱりそこには世間の偏見もあるし、第一、そういうのは物乞いと一緒ではないか、と言う人もいる。心からずっと共感&賛同してくれればいいけれど、長く宿を貸している友人は我が物顔で家でくつろぐその人を見て、"ここは私の家よ!”と彼女のことを良く思えなくなってくる。

彼女の理想とするところはわからないでもない。みんなが支え合っていさえすれば、お金は要らない社会になる、ってことでしょう。

けど。
今の社会にとって、お金は必要なんじゃないか、と思う。

第一に、人類の歴史に何万年か前まであった支え合い分かち合いの時代にはもう戻れない社会が目の前にある。お金で回ってる社会に、分かち合いのシステムを取り入れるのは無理がある。お金の循環に慣れてる今の社会の人は、物々交換で生計を立てていくことはできないだろう。

第二に、お金という存在は想像以上に私達の頭の中に染み付いていて、そこにはやはりお金の力というものを否定するわけにはいかない。
e.g. 1.  たとえば、ある講座を無料で行うとする。無料だから、みんな気軽に参加希望してくる。けど、ふたを開けてみると何も言ってこずに半数以上がキャンセル。タダだからどうでもいい講座、中身は大した講座じゃない、と思った、と。どうでもいいから、やっぱり止める、とそういうことなんだろう。もしこれがある程度の金額を要求したら、ほとんどの人は講座を受けていたと思われる。
e.g. 2. 上で言ってるドイツの教師の例。宿賃の代わりに友人の言う仕事をやってその家に宿泊させてもらっていた。そしてそこを定宿とさせてもらっていた。そのことに対して友人は”度が過ぎる”と最後には怒りに変わる。そこをいくらかお金で支払っていたら、その友人は何も言わなかったと思われる。
e.g. 3. あるNPOで老人の一人暮らし宅にお助け要員の方を派遣する、ということをやってる。例えば、足腰の弱った老人ではとても大変なゴミ出し等。で、そこでは報酬が出る。1時間1,000円。派遣されてる人は、ボランティアだったら気分で今日は行きたくないな、なんてこともあるけど、お金をいただくと責任感が出てくる。と言ってる。そう。お金が支払われると人のほうで責任感が出てくるのよね。お金の力だ。
e.g. 4. 東北の大震災によってかき養殖ができなくなった養殖業者。異業種の人と組んでかき小屋を作り、そこで自分で作ったかきを直にお客さんに食べてもらうことを始めた。それが評判がよくてなかなか好調らしい。その業者さん曰く、自分の作ったかきが売れてお金が入ってくると励みになる、と。もっと頑張ろうという気になっている、と。お金は時に人に励みをくれる。
e.g. 4. 荒廃している山があるとする。人が入って手入れしないと、どんどん荒れ放題に。ここにお金を投入して人を動かすと山の森林が生き返り、お金のかかった森がお金を生む森になっていくことがある。森を維持管理するにはお金が要る。でもお金をうまく回すと森が生き返る。

お金にまつわる例をあげたらきりがないと思うけど、 お金の力をみんなが潜在的に知っている今の社会では、やっぱりお金は必要だと思う。ただ、稼ぎまくってもっともっと!ともっと稼ごうとするごうつくばりな輩は許せませんな。

前出NHKの”そしてお金が生まれた”の中にちょっと嬉しい研究結果があった。人はお金がたくさん手に入ることに喜びを感じる部位が脳の中にあるそうですが、それは際限なくお金を欲しがるかというと、そうじゃないことがわかってきたそうです。何十万年も分かち合いの中で生きてきた歴史がある人類は、目の前の人が糧で困っていると分かち合いたいと思うんだそうです。これは世界中の研究で同じような結果が出たそうなので、ほっとしたりします。億万長者が幸せそうじゃないというのも、そういうことから来てるんじゃないでしょうかね。

お金だけあっても、人間幸せにはならない。
社会の潤滑油であるお金を上手に使って、みんなが幸せになれればいいなぁと思っています。

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