この二人の関係が、恋人でもない、親友でもない、もっと特別な関係、と、なんとも形容しがたい不思議な関係、ということで、観ている私が感じた彼らのような関係の男女のことを書いてみる。
その1:小田和正「♪ラブストーリーは突然に」より
『明日になれば君をきっと今よりも好きになる
そのすべてが僕の中で時を超えていく
君のためにつばさになる君を守りつづける
やわらかく君をつつむあの風になる… 』
やだ、これまんま鈴愛と律よっ!!!
と、まぁ、この歌に関してはそういうことです。
その2: 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 素子とクゼ 『affection : 草迷宮』
幼い二人は同じ飛行機に乗り合わせて事故にあい、素子と思われる少女のほうが容体が悪く、隣で治療を受けていたクゼと思われる少年は女の子と運命共同体的なものを感じ、彼女がよくなることをひたすら願い機能が残された左手だけで折り鶴を折り続ける。彼女がいなくなってからも、折り続ける。それがその少年に課された使命かのように。素子と思われた少女は別の病院で全身義体の手術を受け、厳しいリハビリののちに少年に会いにくるけど。。。
時が経って二人は敵味方のような形で出会う。その時双方にあの時の記憶は残ってなくて。二人共、義体にされてからその記憶が消されたのかどうなのか。だけど、かすかに記憶の奥の奥のほうにそれらしき痕跡が素子のほうにあるらしい。
幼くして過酷な運命に見舞われ、けなげに左手だけで折り鶴を折っていたクゼと、義体の手ではそれを折ることができず姿を消してしまった素子。ちょっと違うけど、男の子が女の子を想って祈り、見守るという点で鈴愛と律かな、と思う。
その3:映画:イノセンス 素子とバトー
この映画の中で素子は物理的には素子として出てこない。サイバー世界の中に身を隠しその中で自由に動き回ってる。(前の映画:Ghost In The Shellの最後で素子は「ネットは広大だわ」という言葉を残し、その中に姿を消してしまう)
で、何かというと、 素子はネットの中でずっとバトーのことを見守っているんです。見えないけど。バトーに何かあった時にだけ別の義体に入り込み、助けにくる。
いいな、これ。
見えなくても変わらずずっと見守ってくれている。
鈴愛と律だ。
その4:白夜行 雪穂と亮司
幼い時に起こった事件が発端となって、生涯お互いがお互いを助け合いながら生きて行く二人。亮司は白夜に浮かぶ弱々しい太陽の光をかざし、雪穂はその下で毒の花を咲かせる。物語の中では二人の接点はほとんどない。だけど、二人はずっと繋がっていた。
雪穂がただ亮司を都合よく使っていただけ、とかいう人いるけど、それは違う。
エピソードをよく読むとお互いがお互いのために水面下で助け合って生きていたというのがわかる。 二人、この世に存在するためのかけがいのない相手だった。
この二人の結びつき方、繋がりの強さは、裏版の鈴愛と律だ。
その5:真田丸 キリちゃんと源次郎
高梨内記の娘キリはくせ者で、よーく考えてみたら、源次郎とまんま鈴愛と律なの。
だって、幼馴染で昔から仲よくて、妻にはなったことがないけど、ずっと真田源次郎(信繁:幸村)のそばにいて、九度山に流された時も父と共に同行、九度山を脱出して大阪城に入った時も一緒で、大阪の陣の最後までそばにいた。 あー、キリちゃんすごいわ。名前は三谷さんのフィクションだけど。
鈴愛と律:
離れていてもそばにいても、生きて行く上でお互いがお互いを必要とする関係。幼い頃からの深い結びつき、繋がりを持つ。鈴愛より5分早く生まれた律は鈴愛のことを守るために生まれてきたと自覚し、鈴愛は自分の存在を一番肯定してくれる人、とも感じている。 鈴愛にとって律は何かあった時に呼ぶといつでも助けに来てくれるマグマ大使。また、律は「幸せを見つける天才(いつも自分の知らない幸せをくれる人)」だと思っている。
これだけ双方共はっきり自覚できるようになるのに、40年かかってます。
途中、双方共別の人と結婚離婚して子どもも設けてのち。
もっと早く気付けばよかったのに、とは思うけど、早いうちに結婚していたら、その後の二人の人生もどうなっていたかわからないし。
人の人生って、その刹那は幸せでも、それからどうなるのかはわからない。
恋愛成就して結婚したとしても、途中でうまくいかなくて別れる人もいるだろうし。
他の人と結婚しても、連れ合いには死ぬまでその存在がわからぬように心の中だけで繋がり続ける場合もあるかも。
みんながみんな、結婚してそのままずっと最後まで幸せな生活、絆が持ててそれで亡くなっていく人たちばかりではないのかも。
生涯かけてずっとそばにいて見守ることができた幸せなカップル、この世の中にどのくらいいるんだろう。
ps. 鈴愛と律、本物の鈴愛と律になればいいなぁと心密かに思ってる、私。
